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Ato プロジェクト全体構想ドキュメント

Ato は、「Web アプリを OS レイヤーで扱う」という発想を軸に、さまざまなサービス・アプリを統合的に提供し、エコシステムを形成していくプロジェクトです。現時点で関連する取り組みは以下のとおりです。

Ato ストア システム

(store.ato.dev)
アプリを配布・発見するためのプラットフォーム

Ato アプリ(Electron 統合版)

(download.ato.dev)
- Ato 自体を使って Web アプリをネイティブに扱うための基盤アプリケーション

データ制限のある SNS (仮称「Alt+O」)

- "作ったものを見てほしい"開発者コミュニティを想定した SNS 的仕組み

スケジューラーアプリ(Scheduler.ai)

- タスク管理や時間活用を支援するアプリで、Ato の強み(アプリ連携や AI)を体感できるキラーアプリ候補

2. 目的・背景

2.1 エコシステムの緩やかな形成

Ato が新しいストアやアプリモデルを掲げても、いきなり大衆的な成功を狙うとハードルが高い。そこで、以下を目指した段階的アプローチを取りたい。

  • 開発者・コアユーザー向け SNSによるコミュニティ形成
  • そこでの投稿・フィードバックを通じて、ストアや Ato アプリに人を流入させる
  • 段階的にストアの信頼感とユーザー基盤を拡大する

2.2 ストアエコシステムへの課題

「誰も使っていないストアに、わざわざアプリを載せるか?」
これは多くの個人開発者にとって切実な疑問です。

  • 大手ストアとの競合、手数料への反発、不透明なメリットなどが導入を阻害
  • しかし、小規模の個人開発者は「作ったものを見られたい」「フィードバックが欲しい」という欲求が強い

2.3 個人開発者の現状

  • 「稼げなくてもいいから、人に見てもらいたい」
  • プロダクトをリリースしてもアクセスが少なく、評価が得られない

→ それならば、SNS 的仕組みで“作ったものを共有するモチベーション”を満たし、かつ Ato ストアやアプリを活用してもらう導線にする。


3. 各プロジェクトの位置づけ

  1. データ制限のある SNS (仮称「Alt+O」)

    • 目的: ユーザーコミュニティを築く入口として、“開発したアプリや作品を気軽に投稿・共有できる場”を提供
    • 特徴:
      • 投稿データ量を制限(たとえば 1 日 1 回の投稿など)して、スパムや大量投稿を防ぎ、質の高い共有を促す
      • Ato アカウントと連携し、投稿からストア・アプリへ誘導
  2. Ato ストア システム (https://store.ato.dev)

    • 目的: アプリや拡張機能を載せる場として、コミュニティ投稿から一歩進んだ形で配布を行う
    • 戦略:
      • 初期は“個人が作った作品を気軽に公開”できる SNS 要素と連携し、閲覧 → ストアでアプリを入手のフローを確立
      • やがて有料コミュニティやプレミアムコンテンツの導入によりストアを活性化
  3. Ato アプリ(https://download.ato.dev)

    • 目的: Ato としての“Web アプリを OS ライクに起動”体験を提供する主力アプリ
    • 連携:
      • SNS やストアで見つけたアプリを、Ato クライアントで 1 クリック実行
      • Local logic (Unikernel/WASM) + Remote API + UI ウィンドウをサンドボックス化し、ユーザーが安心して使える環境を作る
  4. スケジューラーアプリ(https://store.ato.dev/ato/scheduler

    • 役割: Ato 上で動く“キラーアプリ”の一つ
    • 内容: AI サポートやタスク自動分解など先進機能を搭載し、Ato アプリがどれだけ便利かを体感できる
    • プリインストール候補: Ato を導入した瞬間に利用可能にすることで、「このプラットフォームの価値は大きい」とユーザーに感じてもらう

4. ロードマップ

  1. Phase 1: SNS (Alt+O) - コアユーザー獲得

    • 狙い: “作ったものを見てほしい”個人開発者が集まり、軽いモックやスクショ、デモを投稿する
    • Ato アカウント連携により、Ato プラットフォームへの認知度を高める
  2. Phase 2: Ato ストア システム

    • SNS で注目を集めたアプリを、ストアで簡単配布 → “アプリを実際に体験できる”流れを形成
    • 初期は手数料を低くする or 無料で、コミュニティへの貢献を優先
    • コアユーザーからフィードバックや必要機能の要望を得る
  3. Phase 3: Ato アプリ (Electron 版) & Scheduler.ai

    • ストアや SNS で盛り上がったアプリを、Ato で一気に“ネイティブ風”に利用できるように
    • Scheduler.ai をプリインストールするなどして、Ato を導入すればすぐに先進機能を使える導線を用意
    • 有料機能やコミュニティプランを少しずつ導入

5. メリットと想定ユーザー

  1. メリット

    • 開発者:
      • SNS 的要素で露出が増える → フィードバックや評価を得やすい
      • ストアで簡単にアプリを配布 → Ato の実行基盤により面倒な OS 対応を意識せず済む
    • 一般ユーザー:
      • SNS で新しいアプリを発見 → ストアで導入 →Ato クライアントで安全に使える、というシームレス体験
      • スケジューラーアプリなどによる時間管理サポートが手軽に得られる
  2. ターゲット層

    • “稼がなくてもいいから作品を発表したい”個人開発者
    • 面白い/新しいアプリを探しているユーザー
    • コミュニティ参加による学習・情報交換を重視するクリエイターやエンジニア

6. 懸念点と対策

  1. ストアへの誘導・手数料問題

    • 懸念: 誰もいないストアへ有料アプリを載せても、開発者にメリットが薄い → コミュニティ(SNS)で注目度を上げ、手数料を当初低め or 無料に設定し、ユーザーと開発者双方を呼び込む。
  2. SNS だけで完結しそう

    • 懸念: SNS 上でスクショやリンクが共有され、ストアが活性化しないケース → ストア独自の機能(Ato 連携でワンクリック起動、レビュー、収益化オプション)を作り、移行動機を作る。
  3. Ato アプリ(Electron)のリソース負担や UX

    • 懸念: Electron が重い/タブモデルを捨てる UI に不慣れ → MVP 時点での最適化、Tauri や WASM などの将来的選択肢を視野に入れる。
  4. スケジューラー(Scheduler.ai)の高機能すぎる問題

    • 懸念: ユーザーが機能の多さに圧倒される → 機能を段階的に導入、ライトユーザー向けのシンプルモードを用意。

7. 結論

  • SNS(Alt+O) → ストア(ato.dev) → Ato クライアント(Electron) & アプリ(Scheduler.ai)の流れにより、段階的にユーザーコミュニティとエコシステムを構築するのが本ロードマップの狙い。
  • **プリインストールアプリ(スケジューラー)**を通じて Ato ならではの体験(ネイティブ風ウィンドウ、AI 連携、ストアとのシームレスなツールダウンロードなど)を味わえるため、Ato 導入メリットを強烈に打ち出せる。
  • 一方で、コミュニティ運営(SNS)の活性化と、ストア収益モデルの慎重な設計が不可欠。最初は「無料 or 低手数料」・「ライト機能」からスタートし、ユーザーが増加次第、段階的に高度化する方針が望ましい。